ストリートツインを2万キロ走ったインプレ
これはバイク Advent Calendar 2018、2日目の記事です
2017年の4月に大型免許取得に合わせてYZF-R25からストリートツインに乗り換えました。2万キロ走ったので、そろそろインプレをしてみます。
ストリートツインとの出会い
大型免許の取得とともにYZF-R25の乗り換えを検討していて、何台かレンタルバイクで試しました。候補はXSR900、MT-07(XSR700狙い)、ストリートツイン。
「スピードを出さなくても十分楽しい」「加速感が楽しめる」「エンジンのフィーリングとサウンド」の3つの観点で、ストリートツインに決めました。
エンジンのフィーリング
低回転でピークバンドを迎えるエンジンは、街乗りと峠を走るのに最高のフィーリングです。ハイギアで低回転からひっぱるとノッキングしながらも特徴的な「ドコッドコッドコドコドコ」という鼓動感を感じながら力強く加速していきます。この鼓動感が激しすぎず、いやらしくなく、絶妙な優しさとフィーリングで一発で好きになってしまいました。
熱
ストリートツインはエンジンの発熱も少なめで、走行中に気になることはほぼありません。夏場の渋滞時、信号待ちなどに熱風が上がって熱いですが、走行中は気になりません。かなりよくできていると思います。いくつかのブログではタンクが熱いという話がでていますが、自分は純正のタンクパッドつけているので、タンクが熱いと感じたことはないですね。
高速巡航性能
18インチの前輪で直進安定性はしっかりあります。前輪のサスペンションは固めで、地面のフィーリングを得やすいタイプなので、「安定しているのにフィーリングは得やすい」という独特の走行感があります。
走行風は感じる方です。ショートスクリーンはつけたほうが良いですね。
追い越しや合流も、5速からでもぐんぐん加速できるエンジンなので安定感があります。しかし、110km区間では少し「頑張ってる感じ」がぬぐえません。6ギアまであればかなり快適に巡航できたのになぁ、というのが正直な感想です。
旋回性能
曲がり始めは倒しにくいですが、一定をすぎるとガクと倒れこみます。順々に体重をかけていくと突然切り込み始めて驚くかもしれません。バーハンドルでポジションはアップライトなので、腰で曲がっていくイメージです。アウト・イン・アウトがすごく楽しいバイクです。バンク角は結構稼げるようですが、ステップのバンクセンサーを削ったことはあまりないです。
ハイギアの低回転でもトルクが非常にあるので、立ち上がりはとてもスムーズです。鼓動感を感じながらコーナーを抜けて駆け上がっていく瞬間は控えめに言って最高ですね。トラクションコントロールもついているため、スリップダウンの危険性も低く、安心してスロットルを回せます。
燃費
平均して25km-30km/ℓという感じです。
低回転域がとても楽しいので自然とエコドライブになる点と、ライドバイワイヤの電気制御のアクセルがかなり効率的に燃料を使えるようです。70-90km/h帯はかなり燃費が良いですね。街乗りオンリーだと20km/ℓ、渋滞にはまりまくると15km/ℓぐらいの感触です。
デザイン
全くもって最高ですね。ストリートツインには「シンプルに洗練された美しさ」があります。
ボンネビルシリーズの主流であるT100の装飾をあえて削ぎ落としシンプルに整えることで逆に近代的かつクラシックなデザインに整えた、というのはとても革新的なアプローチです。コストダウンと軽量化も兼ねていて価格も100万円をきる、というのも大胆ですね。昨今の日本のネオクラシックバイクは価格帯が高めに設定されているので、ストリートツインの競争力が逆に高まっているように感じます。
また装飾も少ないシンプルなバイクなので、どこで写真を撮っても映えます。(これはかなり主観も入っていますが)。またストリートツインをベースに様々なスタイルを展開している点も面白いです。
取り回し、足つき
乾燥重量で220kgあるので、腕でとり回そうとすると重たいです。腰を使うなどしたほうが良いです。
シート高は750mmで、タンクもすっきりしているので、足つきはとてもよく感じます。身長173cmでは膝が曲がるくらいですね。身長が高い方は窮屈さを感じるかもしれません。また、足つきは、シートを変更する・ローダウンサスペンションに取り替える、などで調整できるようです。
安全性能
ストリートツインには「ABS」「トラクションコントロール」「アシストクラッチ」がついています。
まず、ABSは効きが穏やかで車体が大きくガタつくこともなく安心感があります。コーナリング中にブレーキを踏みすぎても「ズズッズズッ」という感じで効いていくので、感触がわかりやすく安心です。
トラクションコントロールは、かかったかどうか実感したことがないのですが、コーナーの立ち上がりでスリップダウンなどを起こしたことはないので、多分大丈夫なのでしょう。気持ちおっかなびっくりでアクセルを回してるのもありますが。。
アシストクラッチはかなり良い出来で、クラッチはすこぶる軽いです。「え?これ本当に大型バイク?」と思うぐらいの軽さ。渋滞時の腕の負担も軽いです。
レバー類は標準で長さ調節機能つき、立ちごけしてもさきっちょだけ折れるようになっています。
(連泊ソロツーのときに初めて立ちごけをして泣きそうになったんですが、レバー、ハンドルともそのまま走行できる状態だったので、なんとかなりました。)
メンテナンス性
クラシックタイプのバイクなので、メンテナンス性は非常に高いです。 オイル交換もアクセスが良いですし、洗車、チェーンメンテナンスも楽ですね。 バッテリーボックス、ETCもシート下にすっきり収まっているので楽です。 電源を持ってくるのも、ビニールテープなどでフレームに這わせていけばハンドル周りまで持ってこれるので、拡張性も高いですね。
積載性
フラットなシートなのでシートバックも簡単に設置できます。サイドバックは、純正のコットンレザーラゲッジ用の鉄フレームを単品で注文でき、それをつけることで市販のサイドバックでも干渉せず設置できます。
トップケースは、少し苦労します。純正のトップケースはサイズが小さくヘルメット一つしかはいりません。社外品で大きいものを探すと、純正のラゲッジレールに設置できる市販のトップケースがほとんど設置確認されてないので、一個一個自分で相談することになります。大きいトップケースが欲しい場合はヘプコ&ベッカーのキャリアを使うことをオススメします。
(その場合、大きくデザイン性は損なわれることになりますが…)
追記:GIVI B47をつけました
維持費
ストリートツインの維持費は、やはり外車ということもあって高めです。
項目 | 価格目安 | メンテ時期 |
---|---|---|
エンジンオイル | 1万円 | 3,000km |
タイヤ | 6-8万円ほど | 8,000km |
ブレーキパッド | 1万円ほど | 10,000km |
車検 | 6万円ほど | 2年 |
バッテリー | 3万円 | 3年 |
タイヤとブレーキパッドは消耗しがちなので、交換頻度が必要です。 一方で燃費はすこぶる良い(25km/lほど)ガソリン代は節約できるでしょう。 レバーなどの純正品は強度も高く立ちゴケ程度では壊れませんが、交換となると1本1万円ほどかかります。
ストリートツインの頑張って欲しい点
2万キロ走って感じるストリートツインの個人的課題点をレビューします。
フロントタイヤのライフが短い・タイヤの選択肢が少ない
ストリートツインの前輪は100/90-18 56Hで、タイヤの選択肢が非常に少ないです。
しかも純正のファントムスポーツコンプは特に暑さに弱いタイヤで、
夏場にちょっとヤンチャしようものなら、ワンシーズンで使い切ってしまいそうなほど。
グリップもよく、ウェット耐性も高く楽しいタイヤなのですが、消費が激しいのが難点です…。
一方でリアタイヤは18,000-20,000km走るものなので、気にしなくて大丈夫ですね。
5ギアしかないこと
やはり、高速巡航は6ギアまで欲しかったです。というのも、ストリートツインは穏やかにエンジンの味付きを楽しめるバイクなので、単調になりがちな高速巡航も、余裕を持って走りたくなってしまいます。そのときに、5ギアまでだと「あー頑張ってるなー」と感じる時がどうしてもあるんですよね。6ギアがあれば、あるいは、1200ccのボンネビルエンジンが載っていたらもっとよかったのになーというのが正直なところ。
と思っていたら、出ちゃうんですよねー、1200ccのスピードツイン。
Triumph Speed Twin | For the Ride
商売うまいなぁ。
純正パーツのディーラー仕入れが遅い/高い
パーツや素材がT100をベースにしているので、品質がとても良いです。それゆえ、高コストでもあります。レバー類も1本1万円します。長さ調節・先っぽだけ折れる機能付きな点を考えると、安いかもしれませんが…。
また、パーツの流通量は少ないようでディーラーに在庫がない場合が多いです。輸送コストも高いため、まとまって発注するようで、納車時のオプションがそろうのに1ヶ月程度かかることがよくあるようでした。(自分もタンクパッドが届くのに1ヶ月かかりました)
またパーツもディーラーで買うよりも個人輸入したほうが圧倒的に安いので、
自信のある方は個人輸入のほうが安く仕上がるかもしれません。
(例を挙げると、純正のコットンレザーサイドバックは輸送費込みでほぼほぼ半額で手に入ります。)
World Of Triumph | Motorcycle Parts, Clothing & Accessories Worldwide
おわりに
ストリートツインは自分の中では最高に相性の良いバイクです。 バイクの好みはいろいろあると思いますが、一度は試乗してみて欲しいバイクですね。
バイクアドベントカレンダー2019 前の記事 modalsoul.hatenablog.jp
次の記事 sohma.hateblo.jp